体脂肪率測定
体脂肪率って???
「それくらい知ってるってば!」と言われてしまいそうですが、身体は主に、水分・脂肪・筋肉でできています。全体重のうち、脂肪の重さが占める割合のことを体脂肪率といいます。
脂肪の役割
メタボリックシンドロームという言葉の浸透した昨今、脂肪は少なければ少ないほどいいと思いがちですが、そんな憎まれ役の脂肪にも大事な役割があります。体温を維持し、エネルギーの貯蔵庫として働き、ホルモンの材料になる。これらはすべて脂肪のになっている重要な役割です。ですから脂肪が極端に少なくなると、体にさまざまな不調が現れます。
一方でよく言われている通り、脂肪が多すぎると(とくに内臓脂肪が多すぎると)生活習慣病になる可能性大です。なにごともさじ加減が肝要ですが、体脂肪率も例外ではありません。高すぎても低すぎても健康にはよろしくないわけです。
ちょうどよい体脂肪率とは
では適正な体脂肪率は…と言いたいところですが、実は体脂肪率に正式な基準値はありません。また、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病との相関は薄いとされているのです。なぜでしょうか?
これには大きく二つの理由があります。まず第一に、体脂肪率の正確な測定が難しいことが挙げられます。体脂肪率は、食事や水分摂取などで大きく変わってしまいますし、一日の中でも夕方ほど高く測定されやすいことがわかっています。
また、体脂肪は体の中のどこにあるかによって内臓脂肪と皮下脂肪に分かれています。メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を引き起こすのは内臓脂肪の方で、皮下脂肪はそれほど問題ではありません。しかし、皮下脂肪と内臓脂肪を区別して測ることはふつう困難です(皮下脂肪と内臓脂肪をそれぞれ測ることができると書いてある体組成計も販売されていますが)。
これらの理由から、「健康の目安としての」適正な体脂肪率というものは存在しないのです。というわけで体脂肪率については、数字に一喜一憂せず「こんなもんか~」くらいに考えておくのがよさそうです(メタボリックシンドロームが心配な方は、ぜひBMIと腹囲の長さを測ってみてください)。骨密度測定の待ち時間にでもどうぞ!